ストフェス前にP板に注文していた基板が先日到着しました。
もちろんメインはMP3プレイヤーなんですが、余った面積にPCM2704を使ったUSBオーディオの基板を面付けしておいたので、気分転換がてらUSBオーディオを作ってみました。
(これらのデータは趣味での製作用途に限りお使いください。商用利用は禁止いたします。)
私は「ちっちゃく作る」のが大好きなので、この基板もコンパクト仕様です。上のボード図の通り基板を作ると、タカチのプラスチックケース SW-53 (外寸 36×53×11mm) にピッタリおさまるようになっています。PCM2704はボリューム調整(UP,DOWN,MUTE)のスイッチを付けられるようになっていますが、小さくするためにミュートの配線のみとしました。
なお、上記回路図を参考にして作る方は、水晶の両端に1MΩの抵抗を接続してください。水晶と並列に1本追加するだけですが、これが無いと発振しません。せっかく基板起こしたのに痛恨のミスです。抵抗1個追加するだけだったのでまだよかった方ですが。
あと、他の方々のPCM2704の製作記事を見ていると、VCCL・VCCR・VCCPを同一ライン(3.3V)に結線している例を見かけますが、データシートを見る限り結線する必要は無いと思われます。データシートでは「Analog Power Supply for …」なんて書いてあるので繋げたくなりますが、これらのピンは内部の5→3.3Vのレギュレータ出力にデカップリングコンデンサを付けるためのピンであって、電源を外部から供給するためのピンでは無いはずです。
<2009/8/10 追記> TIからデモボード(DEM-PCM2704)の資料を見つけました。それを読むと、バスパワーで利用する場合(PSEL=1)は、VCCL・VCCR・VCCP同士は結線してはいけないとの記述がありました。やはりこれらのピンは出力扱いのようです。なので今回使った回路であっています。ただしセルフパワーのとき(PSEL=0)は電源入力ピンです。ややこしい仕様ですね。
抵抗・小容量コンデンサ類はすべて1608サイズです。ローパスフィルタ用の0.022μFが手持ちで無かったので、買ってくるまではとりあえず省略することにしました。基板表写真で空いている所があるのはそのためです。
VCOM端子のデカップリングには三洋OSコンの6.3V 15μF、オーディオ出力のカップリングにはニチコンMUSEのFW 16V 220μFを使いました。どちらもデジットで購入。ボード図の所にも書いてありますがSW-53のケースに収めるためにはVCOMデカップリング用のコンデンサをΦ5mm×L14mm以内、出力カップリング用のコンデンサをΦ7.4mm×L15mm以内にする必要があります。そうしないとケースのふたが閉まりません。大きさが上記以内でも、場合によってはふたの出っ張り部分を削る必要があるかと思います。
特殊な部品としてはチップビーズとオーディオジャックくらいでしょうか。ビーズはTDKのMPZ2012S601A、ジャックはcuiのSJ-3523-SMTです。どちらもDigi-keyにて購入。水晶は5.0×3.2mmサイズの4端子表面実装タイプと、HC49-U/Sタイプのどちらでも使えるパターンにしています。HC49-U/Sを使う場合は写真のように少し浮かせて実装することになります。水晶やスイッチ等、スルーホール部品は高さに余裕が無いので足を切り詰めてから半田付けして、裏側があまり出っぱらないようにしています。
ふたを閉じるとこうなります。
USBケーブルが無駄に長い(笑)
15~20cmくらいのA対ミニBのケーブルが欲しくなりますね…。
さて、肝心の音ですが、期待以上に良い音がなります。当たり前ですがLet's Note (CF-W5)のオンボードオーディオとは比べものになりません。
高音ばっかりしゃかしゃかなることも無く、低音から高音までほどよく鳴る、という感じです。私の好みとしては、もう少し低音がしっかりしているほうが良いので、まだ改良の余地はあります。今回使ったカップリングコンデンサは220μFと小さめなので、ケースに収まるサイズで出来るだけ大きい容量のコンデンサを探してみようと思います。あと省略したフィルタを実装すれば、また少し変わるかもしれません。
皆さんもお試しあれ。