2009年3月アーカイブ

ストフェス前にP板に注文していた基板が先日到着しました。


もちろんメインはMP3プレイヤーなんですが、余った面積にPCM2704を使ったUSBオーディオの基板を面付けしておいたので、気分転換がてらUSBオーディオを作ってみました。

(これらのデータは趣味での製作用途に限りお使いください。商用利用は禁止いたします。)

私は「ちっちゃく作る」のが大好きなので、この基板もコンパクト仕様です。上のボード図の通り基板を作ると、タカチのプラスチックケース SW-53 (外寸 36×53×11mm) にピッタリおさまるようになっています。PCM2704はボリューム調整(UP,DOWN,MUTE)のスイッチを付けられるようになっていますが、小さくするためにミュートの配線のみとしました。
なお、上記回路図を参考にして作る方は、水晶の両端に1MΩの抵抗を接続してください。水晶と並列に1本追加するだけですが、これが無いと発振しません。せっかく基板起こしたのに痛恨のミスです。抵抗1個追加するだけだったのでまだよかった方ですが。

あと、他の方々のPCM2704の製作記事を見ていると、VCCL・VCCR・VCCPを同一ライン(3.3V)に結線している例を見かけますが、データシートを見る限り結線する必要は無いと思われます。データシートでは「Analog Power Supply for …」なんて書いてあるので繋げたくなりますが、これらのピンは内部の5→3.3Vのレギュレータ出力にデカップリングコンデンサを付けるためのピンであって、電源を外部から供給するためのピンでは無いはずです。
<2009/8/10 追記> TIからデモボード(DEM-PCM2704)の資料を見つけました。それを読むと、バスパワーで利用する場合(PSEL=1)は、VCCL・VCCR・VCCP同士は結線してはいけないとの記述がありました。やはりこれらのピンは出力扱いのようです。なので今回使った回路であっています。ただしセルフパワーのとき(PSEL=0)は電源入力ピンです。ややこしい仕様ですね。

裏の写真には追加の1MΩチップ抵抗が見えます。


抵抗・小容量コンデンサ類はすべて1608サイズです。ローパスフィルタ用の0.022μFが手持ちで無かったので、買ってくるまではとりあえず省略することにしました。基板表写真で空いている所があるのはそのためです。

VCOM端子のデカップリングには三洋OSコンの6.3V 15μF、オーディオ出力のカップリングにはニチコンMUSEのFW 16V 220μFを使いました。どちらもデジットで購入。ボード図の所にも書いてありますがSW-53のケースに収めるためにはVCOMデカップリング用のコンデンサをΦ5mm×L14mm以内、出力カップリング用のコンデンサをΦ7.4mm×L15mm以内にする必要があります。そうしないとケースのふたが閉まりません。大きさが上記以内でも、場合によってはふたの出っ張り部分を削る必要があるかと思います。

特殊な部品としてはチップビーズとオーディオジャックくらいでしょうか。ビーズはTDKのMPZ2012S601A、ジャックはcuiのSJ-3523-SMTです。どちらもDigi-keyにて購入。水晶は5.0×3.2mmサイズの4端子表面実装タイプと、HC49-U/Sタイプのどちらでも使えるパターンにしています。HC49-U/Sを使う場合は写真のように少し浮かせて実装することになります。水晶やスイッチ等、スルーホール部品は高さに余裕が無いので足を切り詰めてから半田付けして、裏側があまり出っぱらないようにしています。

ふたを閉じるとこうなります。
USBケーブルが無駄に長い(笑)
15~20cmくらいのA対ミニBのケーブルが欲しくなりますね…。


さて、肝心の音ですが、期待以上に良い音がなります。当たり前ですがLet's Note (CF-W5)のオンボードオーディオとは比べものになりません。

高音ばっかりしゃかしゃかなることも無く、低音から高音までほどよく鳴る、という感じです。私の好みとしては、もう少し低音がしっかりしているほうが良いので、まだ改良の余地はあります。今回使ったカップリングコンデンサは220μFと小さめなので、ケースに収まるサイズで出来るだけ大きい容量のコンデンサを探してみようと思います。あと省略したフィルタを実装すれば、また少し変わるかもしれません。

皆さんもお試しあれ。

すとふぇす

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日付が変わる前に。
今日は日本橋ストリートフェスタでした。


今年もコスプレいっぱい…もはや何の祭りなんだか(笑)
さっき写真見て初めてダンボーの存在に気がついた。
くそう、ちゃんとお金入れるとこあったのか自分の目で確認したかったな…。

それにしても、去年のストフェス記事からの記事数が少なすぎる…。
今はMP3プレイヤー製作がホットなのでがんばって記事書いていきます。

(追記)
この祭りについて思うこと。私はずっと大阪に住んでいたので、昔、電子工作を始めるときに、近所では手に入らない部品を買いに来た街が日本橋です。共立とか今は無きニノミヤとか。

大昔と違い、インターネットで様々な物が買える時代。電化製品を実際に店で買うにしても、あちこちの量販店で安く買える時代。電子部品だって一般家電だって、日本橋に「行かなければならない」ことはもはや無いでしょう。それでも日本橋に行く理由というのは、結局その街の空気を吸いに行く、ということなんだと思います。近くの家電店に行くのとは全く異なった街の雰囲気を楽しみながら買い物をすることに意味があると。まあ、電子部品は近くの店にあるものじゃないので、通販か日本橋行くかの二択ですが。

最近はオタクの街、横文字で言えばサブカルチャーの街となりつつありますが、私はそれを寂しく思っています。私にとって日本橋とは、今でも電気・電子の街であり、今後もそうであって欲しいと思っているからです。

なぜ、オタクの街と化していくのか。ただ商品を買うことだけが理由ならば、ネットで買えたりするので電化製品と同じです。アニメショップも各地方に支店を展開してますし。でもそれだけじゃないんですね。人が集まるコミュニティとしての機能がメインなんだと感じます。ところが、電化製品や電子部品にはコミュニティが要らない(というと言い過ぎの所もありますが)ので、日本橋に行く理由が薄くなるわけです。しかも、今日のようなイベントでは、そのことをよりいっそう見せつけられる気がします。オタク文化を駆逐せよと言うつもりは毛頭ありませんが、もうちょっと電気電子での元気を取り戻して欲しいと感じた一日でした。
ぶっちゃけ私自身どちらかというとオタクなので(笑)、オタク文化を否定しません。のいぢ先生は訳あって大尊敬してるイラストレーターさんですから、音々ちゃんも1人のキャラとしては好…もごもご。でも、でも、「日本橋を盛り上げるキャラクター」であることが凄く残念。複雑な思いです。

あ、ついた

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先日「諦める」と宣言したOLEDですが、往生際の悪い私はまた手を出してしまいまして…。
ところがどっこい、点灯に成功してしまいました。3度目の正直です。

これ以上壊さないよう、回路全体の消費電流監視はもちろん、DC/DCコンバータ部をテープで覆い、手が触れないようにしました。フィードバック部分に手を触れると出力電圧が簡単に上がってしまうので。

さっそく画像転送してみました。今回は160x128で正方形じゃなく、CDジャケットとか丁度良い画像が見あたらなかったので、日本橋の公式キャラクター「音々(ねおん)ちゃん」でも(笑)
(これって無断転載になるんでしょうか…? まあぎりぎりセーフということで)

うまく表示されましたが、一度電源を落として再度つけると、またつかなくなってしまいました。

でも一度上手くいって俄然、元気がでてきたので、根気よく調べてみました。
それでクロック周り(OSC1,OSC2)を調べていると、その隣にあるIREF端子に触れると一瞬表示がでる(ちらつく)ことが分かりました。また、制御チップに指をかざしてもちらつきが現れます。

はっきりした原因は分かりませんが、どうやらIREFのあたりの回路に問題が有ってディスプレイ表示部が立ち上がらないようです。これはハードウェアリセット(RESET#→LOW)やソフトウェアリセット(レジスタ0x05←1)では解消されません。IREFはデータシート通りの68kΩプルダウンをしていますので、もしかしたらチップのバグかもしれません。
引き続きいろいろ試してみて、確実に立ち上がる回路構成を考えたいと思います。

#hidspxプラグインは制作中です。しばしお待ちを。

(追記)
前のOLED記事で予想していたundocumentedなレジスタですが、何か有るのは確かのようです。使われていない番地のレジスタはほとんどが0x00固定ですが、0x07や0x80~0x87は試しにデータを書いて見ると、その値を保持しました。また書き込む値によって表示がオンオフしたりするレジスタ(0x86とか)もあり、これらについても引き続き調べる予定です。

HIDaspx作ってみた

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世の中には凄いことする人たちがいるものです。

AVR-USBというプロジェクトがあります。AVRマイコンのソフトウェア制御で
USBを扱おうというものです。ソフトウェア制御ですから、90USB*とかUSB対応のデバイスである必要がありません。

なんと!tiny45とか、tiny2313とかでやってしまうんですね。こりぁ凄い!!
遊びのネタが増えました。

で、このAVR-USBを利用したAVRライタがいくつか提案されていて、そのうちのひとつ「HIDaspx」を製作してみました。
「おまえ純正AVRライタ2つも持っているだろう」というツッコミはなしで(笑)。
自分の手で作ることに意味があるんですよ!きっと!

回路図とボード図(EAGLEデータ) hidaspx1.zip


ケースインナー用紙のテンプレート AVR/HIDaspx - 千秋ゼミ
用紙テンプレートはpptx(PowerPoint2007)とPDFです。pptx編集出来ない人ごめんなさい。

ターゲットの配線でSCKとMOSI取り違えて結構時間つぶしたり、いろいろありましたが、きちんと動作しました。

HIDaspxはHID(ヒューマンインターフェースデバイス)のクラスを用いることで、デバイスドライバを導入しなくても使える、というのが特徴のライタです。最近は高速化も進んでいるようで、最新の制御ソフト(hidspx)を用いて読み書きしてみたところ、それほどストレスなく使えるくらいの速度は出ました。

ネックなのはhidspxをDOS窓(コマンドプロンプトです。古い言い方がクセになってます)に打ち込む必要があること。好きなエディタで編集してmake叩いて作業している時にはいいのですが、普段AVRの開発は開発環境(AVR Studio 4)でやっているのでちょっと不便。

そこで、現在AVRStudio用のプラグインを作成中です。近日公開予定?

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